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  • 2022.11.16
  • 福利厚生の知識

企業のメンタルヘルス対策を解説!不調の原因から具体的な進め方まで

心の健康を意味する「メンタルヘルス」。

人々の働き方や労働環境などが注目されるようになった昨今、従業員のメンタルヘルスケアは、企業における重要な取り組みの1つです。

メンタルヘルス対策を怠ると、メンタルヘルスの不調が生じた従業員本人がつらいだけでなく、企業全体の損失や業績悪化につながる恐れがあります。

今回は、企業におけるメンタルヘルス対策の重要性や、具体的な対策方法を解説します。

メンタルヘルスケアとは?対策をとる重要性やメリット

メンタルヘルスとは、心の健康を指す言葉です。

厚生労働省が発表した「労働者の心の健康の保持増進のための指針」では、メンタルヘルス不調を「精神および行動の障害に分類される精神障害や自殺のみならず、ストレスや強い悩み、不安など、労働者の心身の健康、社会生活および生活の質に影響を与える可能性のある精神的および行動上の問題を幅広く含むものをいう」としています。

うつ病や適応障害などの具体的な診断名がなくても、「メンタルヘルスが不調な状態」いわゆる「心が弱っている状態」は十分にありえるのです。

そして昨今、企業におけるメンタルヘルス対策が注目されており、実際にさまざまな対策をする企業が増えてきています。

ではなぜ企業のメンタルヘルス対策が重要視されているのでしょうか。

なぜ企業はメンタルヘルス対策を行う必要がある?

メンタルヘルスが不調な状態が続くと、人間の脳機能は低下していきます。

集中力や判断力、意欲、好奇心などが低下してしまうため、従業員1人1人のパフォーマンスはもちろん、企業全体の生産性に悪影響が出るでしょう。

また、メンタルヘルスの不調が原因で休職や退職を余儀なくされる従業員も珍しくありません。

実際、厚生労働省が行った調査「令和3年労働安全衛生調査(実態調査)における事業所調査の概要」では、メンタルヘルス不調により連続1ヶ月以上休業した労働者または退職した労働者がいた事業所の割合は10.1%となっています。

約10社に1社は、従業員がメンタルヘルスの不調により1ヶ月以上の休職または退職しているということです。

従業員のメンタルヘルス不調は、本人の休職や退職だけでなく、人材不足や業務過多を引き起こし、周りの従業員のモチベーションの低下にもつながります。

従業員それぞれが自身のパフォーマンスを発揮し、会社としての生産性を向上させるためには、組織全体としてのメンタルヘルス対策が必要なのです。

企業がメンタルヘルス対策を行うメリット

企業が従業員に対するメンタルヘルス対策を行うメリットは多くあります。

まずは、上でも解説したとおり企業全体の生産性が向上することです。

メンタルヘルスの不調による判断力や業務能力が低下することを防ぎ、企業全体のパフォーマンス向上を叶えられます。

また、集中力や注意力の低下から引き起こされるミスや事故を防ぐことにもつながります。

さらに、企業イメージ向上につながるというメリットもあります。

メンタルヘルス対策を積極的に行っている企業は、「従業員を大切にしている企業」というイメージを持たれるため、企業としての魅力につながります。

企業のブランディング強化や、採用における応募者アップのような効果も期待できるでしょう。

メンタルヘルス不調の原因・不調のサインもチェック

従業員のメンタルヘルス不調にはさまざまな要因がありますが、大きく4つに分類されます。

それぞれ特徴や具体的な要因を詳しく見ていきましょう。

  職場要因
職場が原因でメンタルヘルスの不調が起こっている
私的要因
私生活上での問題によってメンタルヘルスの不調が起こっている
外的要因
環境によってメンタルヘルスの不調が起こっている
  • 業務過多
  • 職場でパワハラやセクハラ被害を受けている
  • 近隣トラブルを抱えている
  • 持病を抱えている
内的要因
個人的な悩みや不安によってメンタルヘルスの不調が起こっている
  • 上司からの期待に対する緊張感がある
  • 業務に対する自信がない
  • 仕事に慣れていない
  • 親の介護や離婚によって心配事が増えた
  • 一人暮らしや新生活が不安

すべてのメンタルヘルス不調の要因が、必ずしも4つに分類されるわけではありません。

中には複数の要因が絡み合って不調を引き起こしているケースも考えられます。

また、メンタルヘルスの不調が起こると下記のような兆候が現れることが多いです。

  • 遅刻・早退・欠勤が増える
  • いつも体調が悪そうに見える
  • ミスや事故が多くなる
  • 報告・連絡・相談の頻度が減る
  • 挨拶が減る、声に元気がない
  • 仕事中にボーッとしたり居眠りしたりする
  • 常にイライラしている

企業は従業員のメンタルヘルス不調にいち早く気付き、原因の究明と対策を行うことが大切です。

企業におけるメンタルヘルスケアへの対策は?

では具体的に、企業ではメンタルヘルス対策をどのように行ったら良いのでしょうか。

企業におけるメンタルヘルス対策は「4つのケア」を「3段階の予防」で行うことが重要だとされています。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

厚生労働省が推奨している4つのメンタルヘルスケア

まず、厚生労働省の指針で「4つのケアが継続的かつ計画的に行われることが重要である」と示されている4つのケア方法を紹介します。

1.セルフケア

セルフケアとは、労働者自身が自分の心の健康状態を管理することです。

ストレスを予防したり、不調となった場合には迅速に適切な対処をしたりする必要があります。

企業は労働者が自身で心の状態をコントロールできるよう、研修や情報提供などを通してサポートします。

研修や情報提供の具体的な内容としては、以下のようなものが挙げられます。

  • ストレスやメンタルヘルスへの正しい理解
  • ストレスチェック実施による自身のストレスへの気づき
  • ストレスへの対処法

なお、セルフケアは管理監督者にとっても重要であるため、全従業員を対象としてケアを行いましょう。

2.管理監督者によるラインによるケア

ラインによるケアとは、たとえば直属の上司のような管理監督者が、部下1人1人のメンタルヘルス状況を把握し、改善に努めることです。

適切な対処を行うために、管理監督者にはメンタルヘルスケアについての正しい理解や予防法を知っておくことが求められます。

取り組み内容の例としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 部下の行動の異変を察知し、適切な対応へつなげる
  • 部下が上司に相談しやすい関係づくりをする
  • 職場環境の改善を行う
  • 職場復帰後の気持ちのケアを行う

3.事業場内産業保健スタッフ等によるケア

セルフケアやラインによるケアが適切に、効果的に行えるように必要なのが、事業場内産業保健スタッフ等によるケアです。

事業場内産業保健スタッフ等とは、産業医や衛生管理者、保健師、人事労務管理スタッフなどが挙げられます。

専門的な知識や経験を活かし、従業員1人1人をサポートします。

サポート業務以外にも、具体的なメンタルヘルスケア実施に関する企画立案、事業場外とのネットワーク形成や窓口も担うなど、メンタルヘルスケアの計画実施にあたり中心的な役割を果たします。

4.事業場外資源によるケア

事業場外資源によるケアとは、外的機関によるメンタルヘルスケアです。

事業場内産業保健スタッフよりも高い専門性が必要な場合や、「社内や企業と関わりのある人物に相談したくない」というケースに活躍します。

3段階の予防

次に、企業におけるメンタルヘルス対策は、目的別に3つの段階に分かれています。

メンタルヘルス対策を確実に進めるためには、3つの段階のそれぞれの目的に合わせ、4つのケア方法を適切に組み合わせて行う必要があります。

その一例を挙げてみます。

目的 企業での具体的な取り組み例
一次予防 職場環境の改善やメンタルヘルスへの意識を向上させることで、メンタルヘルスの不調を未然に防止する
  • 相談窓口の設置
  • メンタルヘルスケアやストレスマネジメントの研修の実施
  • ストレスチェックテストの実施
二次予防 メンタルヘルスの不調を早めに発見し、重症化を防ぐ
  • 相談窓口の設置
  • 産業医との面談の実施
  • メンタルヘルスを専門に扱う外部サービスとの連携
  • 同僚や管理者による積極的なコミュニケーション
三次予防 メンタルヘルス不調で休職している従業員の職場復帰をサポートし、退職を予防する
  • 相談窓口の設置
  • 産業医・衛生管理者・保健師などによる面談の実施
  • 復帰支援プログラムの用意

メンタルヘルス不調による休職者や離職者を増やさないために、自社で行っている対策法を見直してみましょう。

さらに効果的に対策を進めるために

上で挙げた企業での具体的な取り組み例の中でも、特に次の3つを詳しく見ていきます。

  • ストレスチェック制度の構築・実施
  • 産業医と連携した相談窓口の設置
  • 研修や情報提供の実施

それぞれ、どのような内容か見ていきましょう。

ストレスチェック制度の構築・実施

従業員のメンタルヘルスを把握するために効果的なのが、ストレスチェック制度です。

ストレスチェック制度は、2015年12月に厚生労働省の管轄で施行されたもので、常時50人以上が働く企業では最低でも1年に1回はチェックを実施し、結果を労働基準監督署へ報告することが義務付けられています。

ストレスチェック制度では、アンケート形式のテストの実施、テスト結果をもとにした面談指導、企業全体の集計や分析を行います。

ストレスチェック結果は、検査を行った医師等から労働者自身に直接伝えられ、本人の同意なく事業者へは提供されません。

検査結果によっては、希望すれば産業医等との面談などにつなげることもできます。

産業医と連携した相談窓口の設置

メンタルヘルス対策におけるすべての段階をカバーして、横断的に対応できるのが相談窓口の設置です。

専門的な知識を持つ産業医との連携を行うことで、より効果的に従業員をサポートできます。

小規模事業者など、必要な事業場内産業保健スタッフが確保できない場合は、都道府県産業保健総合支援センター等の事業場外資源のサポートを活用すると良いでしょう。

研修や情報提供の実施

従業員がメンタルヘルス対策を自分ごととして捉え、企業としてのサポート体制を強化するためには、メンタルヘルスケアを推進するための教育研修・情報提供も重要です。

「EAP(従業員支援プログラム)」と呼ばれるサービスを活用するのもおすすめです。

メンタルヘルス不調者が出たときの対処法も知っておこう

メンタルヘルス対策を行っていても、メンタルの不調を訴える従業員が出ることは考えられます。

メンタルヘルス不調者が出てしまったら、適切に対応することが重要です。

まずは本人との面談を行い、不調の原因を究明しましょう。

ストレスの原因となっているのが職場環境か私生活かによって、対処できる範囲が異なります。

中には話すことでストレスが軽減されて元通りの業務に戻れる人もいますが、そうでない場合は次のステップとして医療機関の受診をおすすめします。

医療機関による具体的な診断により、企業としての対策も講じやすくなるでしょう。

ストレスの原因が職場にあった場合、本人のケアと同時に原因となっている環境の改善も行う必要があります。

面談や医療機関の受診、職場環境の改善によって状況が好転しない場合、また医師によって休職が適切と診断された場合は、休職手続きを進めましょう。

上司や部門長などと協力しながら、業務の引き継ぎも行います。

多くの場合、メンタルヘルス不調者は休職や復帰にあたって不安や罪悪感を抱えることになります。

決して本人を非難せず、復帰の支援に努めましょう。

メンタルヘルス対策は企業にとって重要な取り組みの1つ

心の健康を意味する「メンタルヘルス」。

人々の働き方や労働環境などが注目されている昨今、従業員のメンタルヘルス対策は、企業において重要な取り組みの1つといえます。

適切なメンタルヘルス対策は従業員の休職率や退職率を下げるだけでなく、企業全体の生産性の向上や従業員のモチベーションの維持、体外的なブランディング強化や採用における応募者アップのような効果も期待できます。

企業は従業員のメンタルヘルス不調にいち早く気付き、対策を行う必要があります。

「4つのケア方法」と「3段階の予防」を意識して対策を行いましょう。

メンタルヘルス不調者が出た場合は、適切に対応することが重要です。

必要であれば休職を勧めるケースもあることを理解し、職場復帰しやすい環境を整えるなど、復帰後を見据えた支援も必要です。

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