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  • 2017.12.25
  • 経営お役立ち

上司の方必見!部下の上手な叱り方。怒り方とはどう違う?

上司や管理職の大事な仕事の一つに、「部下の育成」があります。

部下を導き育てるために、時には必要になるのが「叱る」こと。

間違った怒り方・叱り方は部下のモチベーションを下げ、離職の原因になってしまうこともあります。

今回は「怒り方」を改め、上手な「叱り方」をするためのポイントをご紹介。

「部下を叱るのが苦手・・・」という管理職の方は必見です。

まずは「怒る」と「叱る」の違いを知ろう

「怒る」と「叱る」は文脈の中で同じように使われがちですが、実は意味が違います。

怒るのは「自分のため」、叱るのは「相手のため」

「怒る」とは、相手が自分の指示通りに動いてくれない、望んでいた結果を出してくれないなど、自分に対して悪い影響を与えたことに対して腹を立て、相手にその感情をぶつけるという行為です。

そこには自分が腹を立てている、不愉快であるということを相手に伝えたい、不満を発散させたいという目的が隠れています。

一方「叱る」とは、相手の間違った行動や望ましくない行動に対して、現状の問題点や改善点を考え、今後の成長のために強めに注意やアドバイスをすることです。

相手の行動改善のきっかけを作り、同じ過ちを繰り返さないのが「叱る」ことの大きな目的です。

間違った「怒り方」は不信感や離職の原因にも

上司も人間ですから、部下に同じミスを繰り返されるとイライラしてしまうこともあるでしょう。

しかし、そこで感情に任せて間違った怒り方をしてもかえって逆効果です。

行動改善に至らないばかりか、部下からの不信感やモチベーション低下などにつながり、最終的には離職の原因となってしまうこともあります。

相手にきちんと納得してもらい今後の成長につなげていくためには、感情をぶつける「怒る」ではなく、上手に部下を導く「叱る」技術が必要なのです。

相手との信頼関係を壊さず、上手に叱るポイント

叱る目的は、部下の間違った行動や望ましくない行動を改善して仕事の生産性を上げることです。

そのためには、相手に納得をしてもらい、自らの意志で行動改善をしてもらわなくてはいけません。

叱られた側がその内容を素直に受け止め、自ら反省できるような叱り方をする必要があります。

叱る基準やルールを明確にする

信頼関係のない相手にいくら叱られても素直に聞けないものです。

「昨日と言っていることが違う・・・」とならないように、叱る基準やルールは明確にしておく必要があります。

どのような行動に対して叱って、何に対しては叱らないのかを普段から明確に示しておきましょう。

また、相手によって叱らなかったり、叱り方を変えたりするのも不信感につながります。

相手が誰であろうと、同じようなミスに対しては同じように叱りましょう。

叱るための5ステップを意識

「叱る」のは部下育成の絶好のチャンスです。

感情的にならず、ポイントを押さえ戦略的な叱り方を意識しましょう。

5つのステップをご紹介します。

① 叱るタイミングと場所を意識する

その場、その時に直接叱るのが一番伝わるタイミングです。

タイミングを逃さず、叱るようにしましょう。

その際、人前で叱るのは避けて周りの人に聞こえないように配慮しましょう。

② 主観を入れずに事実(行動)の確認をする

まずは起こった事実、行動について共通認識になるまで確認します。

例えば「〇〇の納品が期日に間に合わなかったよね」など。

この時「ヤル気がないから間に合わなかったんだろう」などと、主観を入れてはいけません。

③ こちらの気持ちを伝えて感情の共有をする

次は、その事実に対してこちらが何を思ったのか伝えましょう。

例えば「新しい案件で苦戦しているのではないかと心配していた」など。

④ 解決のために改善するべき具体的な行動を伝える

例えば「納期3日前の時点で進捗状況の報告をする」など。

できるだけ具体的な指示を出すことがポイントです。

「もっと頑張れ」「もっと急げ」などの抽象的な指示は、何をどう改善すればいいのかわからず、同じミスが繰り返される可能性があります。

⑤ 相手の「プラスの感情」を引き出して終わる

叱った後は、励ましたり褒めたりして相手の感情をプラスにして話を終わります。

「期待しているよ」「次は大丈夫」などとフォローを入れて相手のモチベーション維持を心がけましょう。

やってはいけない怒り方・叱り方、NGワード

相手との信頼関係を維持し、気持ちよく納得してもらうためにも下記のような叱り方は厳禁です。

■ 感情をぶつける、執拗に責める

失敗を恐れ萎縮してしまい、チャレンジができなくなってしまいます。

■ 他人と比べる

「〇〇さんはできるのにどうして君はできないんだ」など。

他人との比較ではなく、個人の成長に焦点を当てましょう。

■ 個人の人格や能力を否定する

「だからお前はダメなんだ」「この仕事は向いていないよ」など。

個人の人格や能力がダメなのではなく行動が間違っているだけなので、どの行動がダメなのか、どうすれば改善できるのかを具体的に指摘しましょう。

優秀な部下を育てる「叱り方」のルール例

「叱り方」に明確なルールを定めている会社の例をご紹介します。

大手航空会社の全日空空輸株式会社(ANA)では、「叱る」ことを人材育成の一つの手段ととらえ、明確なルールを用いた戦略的な叱り方を実践しています。

ANAのルール、安全を脅かす行為は100%叱る!

航空機運航の際、何よりも優先されることは「安全」です。

ANAでは「安全」が叱る基準となっていて、「安全に影響を及ぼす行為」に対しては100%、特に厳しく叱るというルールになっています。

例えば、ヘルメットをかぶらずに高所作業をしている整備士には、大声で怒鳴ってでもヘルメットをかぶるように指示をする。

50%の確率で天候が悪くなりそうなフライトの際、副操縦士の「おそらく天候は回復するんじゃないでしょうか?」といった根拠のない発言に対して厳しく諭す。

この様な安全を脅かす行為に対しては全力で叱るという共通認識になっています。

問題の解決策を導く戦略的な叱り方

逆に、それ(安全)以外については頭ごなしに叱ることは絶対にありません。

99%部下が悪いということがわかっていたとしても、必ず最初に事情を聞き、その上で戦略的に叱ります。

事情を聞くことで行動の裏に隠れている問題が見え、解決策を出すことができるのです。

改善行動の指摘は短くシンプルに。

そして話の終わりには笑顔で「この話はこれで終わり!」と明確にすることで心の負担を軽くし、良い印象で終わるようにします。

まとめ

部下の失敗を成長につなげ、育てるためには感情任せに「怒る」のではなく、部下のことを考えて上手に「叱る」ことが重要だということをご紹介しました。

部下との信頼関係を壊さず上手に叱るポイントは次の2つです。

  • 叱る根拠を明確にする、叱るときのルールや基準をしっかりと示す
  • 感情的にならずに戦略的に叱る

上手に叱ることは部下との信頼関係を築き、成長を促し、仕事の生産性を上げることにもつながります。

どうしてもイライラして怒鳴ってしまいたくなる場合は、一呼吸置いて今回のポイントを意識した叱り方を実践してみてはいかがでしょうか?

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